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駐日ハイチ代理大使ウィネアー・ジャン・バティスト氏インタヴュー(1)
2010年1月12日16時53分(現地時刻)マグニチュード7.0の大地震がハイチ共和国を襲いました。死者20万人以上という大災害は、2010年最初に入ってきた衝撃的なニュースだったのではないでしょうか?そして、10月にはコレラが大流行したことはみなさんの記憶にも新しいと思います。
世界の医療団は、地震発生当初から現地での医療支援、そしてコレラ発生時には早急な対応をしてきました。現在も現地の保健省との連携の下、支援活動は続いています。

世界の医療団日本事務局でボランティアをしているYさんから、ハイチの現状をお伝えするべく駐日ハイチ臨時代理大使へのロングインタビューが届きました。

お忙しい中、インタビューに快く対応してくださった代理大使バティスト氏、アンジェル・トーガサさんにお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

実はWord文書13ページ(!)に渡ったインタビュー記事ですが、せっかくなのでノーカットで4回に分けて載せていきたいと思います。前半は文化の話題なども混ぜつつ、後半はいよいよ災害についても具体的なお話を伺っています。最後にはハイチ地震の規模を示す衝撃的なお話も。。。

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ハイチの現状について
駐日ハイチ共和国大使館臨時代理大使ウィネアー・ジャン・バティスト氏インタヴュー

 ハイチ地震についてのインタヴューの許可をハイチ大使館に電話で依頼したところ、現在、大使館のトップとして日本に赴任されている代理大使のウィネアー・ジャン・バティスト氏は、過密なスケジュールを調整し、快く対応して下さることとなった。

 ハイチは、日本にとって遠い国である。ほとんどの情報は日常的にわれわれの元には入ってこない。そのような国で、現在の日本では予想もつかない規模の地震が起きたとしても、その情報がまれにニュースで流れたとしても、それがどのような事態であるのか、感覚として、われわれに理解することは難しいようである。そのことを私は、知人たちと話しをしながら、肌で感じることがよくあった。たとえば、現在ハイチで流行っているコレラについて触れると、ある者は言った。「衛生観念がなくて、ちゃんと手を洗ったりしないからだろう。」地震で家々が破壊されていることを語ると、別の者は言った。「どこかの南の国では、自分の家が天災で破壊されると、国から支援金が出て、もっと良い家が買えるって喜んでいるみたいよ。国民が、そういうキャラクターだったら良いのにね。」そんな反応を聞くたびに、私はとっさに適切な言葉が見つけられず、黙ってしまったものだった。ただ、「何も理解していない」という印象を受けたものだ。特に、この知人たちが、知的部類に入る人物たちであることを考えると、つまるところ、このくらいの感覚をほとんどの日本人が持っているということなのかもしれないとも思えた。このインタヴューの読者の方たちが、ハイチでこの一月から起きたこと、そして、現在起こっていることについて、皮膚感覚で理解を深めてくれることが私の願いである。

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 ところで、インタヴューの当日、初めて訪れることとなった駐日ハイチ大使館を探していると、昼食時を過ぎているにもかかわらず、適当なレストランを探して楽しそうに話をしている二人の外国人とすれ違った。とても感じの良い人たちだと思ったが、実はその一人が臨時大使であり、後で分かったのだが、もう一人の品の良い女性が、彼がわざわざ私のインタヴューのために呼んでくれたアンジェル・トーガサさんであった。大使館に着くなり、代理大使からの電話を秘書が私に回してくれ、指示されたこのレストランに到着すると、扉のところまで出てきてくれた代理大使が、笑顔で私を出迎えてくれた。

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駐日ハイチ代理大使バティスト氏 (ボランティアYさん撮影)

 このようなかしこまらない場所で話しを始めることも、彼の配慮であった。それらのことを、大使館に帰るまで私は何も理解していなかった。彼は言った。「一人よりも二人の方が、包括的な理解ができるでしょう?」代理大使の人柄と、そして、何よりも、ハイチの状況をぜひとも多くの日本人に理解して欲しいという彼の思いが伝わってくる出来事であった。

バティスト氏は、私のインタヴューに際し、日本でほとんど知られていないハイチという国についても語りたいという希望をお持ちだったので、そうした内容も交えながら、レストランでの私たちの会話からお伝えしようと思う。

☆☆☆

インタビュアーY(以下 Y):ハイチはドミニカ共和国の隣にある国ですよね。

駐日ハイチ大使館臨時代理大使ウィネアー・ジャン・バティスト氏(以下 代理大使)
:そうですね。でも、注意しなければいけないのは、間違い易いのですが、ドミニカ島(サン・ドミンゴ島)とドミニカ共和国があるということです。大きな島で、二つの部分に分かれています。一つは、17、18世紀にフランスに植民地にされたフランス圏で、ハイチになった部分です。それと、ドミニカ共和国の部分です。
この二つの圏の文化はまったく異なっています。


アンジェル・トーガサさん(以下トーガサさん):その通りです。まったく違いますね。

代理大使:ドミニカ共和国の方も、スペイン語を話しますが、国民は、彼らのルーツであるアフリカ文化にそれほどこだわっているわけではありません。彼らは、混血ですからね。一方、ハイチの方は、独立から今日まで、アフリカが遠いとしても、ずっとアフリカ文化にこだわりを持って来ました。われわれは、アフリカの出身ですからね。宗教は、ボドゥー教です。要するに、日本で言うと、神道のようなものですね。この点については、彼女に話してもらいましょう。二つの宗教についてよく知っているでしょうから。(彼女は、日本人の夫と結婚し、40年近く日本に住んでいる。)

トーガサさん:要するに、アニミスムです(アニミスム:原始宗教で、無生物も生命や霊魂をもっているという考え)。

代理大使:そうです。アニミスムですね。ハイチ人は、太陽や植物などを崇めています。神道と同じようなものです。死者崇拝の信仰でもあります。理解しづらいかもしれませんね。彼女に説明してもらいましょう。

Y:いえ、私も少し存じております。学生のときに、ミッシェル・レリスという作家を多少研究しておりまして、フランスの作家なのですか、ご存知ですか?彼は、詩人ですが、人類学的な作品を多数残していて、その中で、ハイチのボドゥー教についてもかなり書いていましたから、興味をもっておりました。

代理大使:そうですね。彼は、民間宗教についてかなり研究しておりましたね。

トーガサさん:たとえば、日本では、お盆なども、民間宗教の一つですよね。

代理大使:トーガサさん、私はね、8月15日の休みに、お盆の儀式に参加するために招待を受けましたが、その儀式は、まさにジェロワヌの儀式そのものでしたよ。ここからさほど遠くない、一般のご家庭に私は招待されました。その方たちの家に入るなり、私たちはすぐに、祭壇の前に行きまして、お線香とお供えをしまして、口を濁したような話し方をし(笑い)...

トーガサさん:ためらったような、はっきりしない言い方をするんですね。

代理大使:それは、まさにハイチのボドゥー教のやり方ですよ。

トーガサ:それは文化ですよね。日本もそうではないですか?お盆は、宗教でもありますが、文化の一部ではないですか?

Y:お盆は、むしろ文化ですね。

トーガサさん:そうですよね。私は今、バリにいます。その国のヒンドゥー教についてですが、私たちと一緒に仕事をしている家には皆、祭壇がありまして、毎朝、毎晩、お供えをするんです。花と食べ物を自分たちが食事をする前にお供えをします。神道と同じようにです。お線香も上げます。むしろ、習慣のようなものですね。すべての宗教には、このような同じような習慣がありますね。
 私が、日本で一番好きなのは、すべての宗教を受け入れてくれるところです。


代理大使:寛容さですね。日本人は、寛容です。

トーガサさん:バリも同じなんです。彼らには、宗教に対して、同じような寛容さがあります。インドネシアの他の場所が同じようだとは限りません。バリが観光国として発展した理由の一つは、そこにあるように思えます。そこに来て宗教を続けたい人たちが心地良くいられますからね。

代理大使:ですが、文化についての寛容さに関しては、日本は群を抜いているように思いますよ。

トーガサさん:そうですね。それは見事だと思います。

Y:そうでしょうか。

代理大使:そうですよ。神道は文化であり、哲学のようなものですから、それで他の文化や宗教も受け入れるのだと思います。神道で狂信的な活動もありませんよね。
宗教ではなく、狂信的な活動がいつも問題となるのです。イスラム教が良い例ですね。普通のイスラム教徒たちは、非常に穏やかですが、他の宗教を決して受け入れない人たちもいます。あり得ないことですね。


Y:日本について私が残念に思うのは、遠い国々の宗教についての理解が非常に薄いということです。たとえば、おっしゃられたように、イスラム教については、ほとんど知られていません。大部分のイスラム教徒の方たちは非常に友好的で、穏やかなのですが、日本に入ってくるイスラム教の情報、つまり、ニュースや新聞などで日本人が触れることのできるイスラム教徒の情報は、テロがあったときだけですから、日本人は、イスラム教徒というと、危険な人たちで、イスラム教が過激な宗教なのだというイメージを自然にもっているところがあります。

代理大使:そうですね。

トーガサさん:それは日本に限ったことではありませんね。西欧全体についても言えることですね。

Y:私は、駐日セネガル大使館に勤めていたことがあります。ですから..

お二人:ああ、なるほど。

Y:私自身、勤める前と後では、イスラム教についてのイメージがとても変わりました。大部分のイスラム教徒がとても穏やかな人たちなのだということが分かりましたから。

☆☆☆

インタビュー(2)
インタビュー(3)

2010/12/27(Mon) | インタビュー | トラックバック(-) | コメント(0) | page top↑
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